こんにちは。
プラザセレクトグループ代表の三谷浩之です。
今回は「価値」について社内でもよく伝えることを書きます。当社はブランディングを重要視している会社なのでこのテーマについて何度も私が口にするため社内の考え方として強めに確立されています。
価値にはいろいろあります。Aさんにとっては価値があるものでもBさんにとっては価値がないものということはざら。これをまずは自覚しておく必要があります。企業が商品サービスを作るのも、家族、友人、恋人関係の中で善意で相手に何かしてあげた時にもこの大前提をお互いが自覚していないと変な軋轢が生まれます。
お互いがそれに価値があると認識した場合はHAPPYですから何も言うことはありませんが、もし発信側がよいと思って発信し受信側がその価値をあまり見いだせなかった場合、もしかしたら有難迷惑や小さな親切大きなお世話状態になる可能性もあります。ひどいときは「なんだそりゃ!」という敵意まで生まれるかもしれません。だからもしそれそのものに対しての価値を見出せなくても、その心遣いに価値を見出して感謝の心を持つことや、こちらを思ってくれたことにありがとうを感じる心をまずは育まなくてはなりません。実は受信側の能力が足りずその価値に気づけていない場合もあります。パソコンにあまり詳しくない人にハイスペックパソコンを贈ってもその価値を見出せず、使いこなせず、さほど喜ばれないように・・。その本質を見誤り物質的なものにだけ着目するのはよくありませんね。相手も考えて良かれと思ってしてくれているのです。それはお互い様。お互い様もできず誰かのために考えることもせず行動もせず知らん顔しているよりは何か形を示して動いてくれたほうがよっぽど人間らしいと思います。
と長い前置きでしたが、これらを基にビジネスとして置き換えれるとそもそも「良いものができた」という作り手の想いはあまり重要ではないということなのです。受信側の市場経済、お客様が「これいいね!」と思ってもらうかどうかが最も重要。極端なことを言えば作り手がこれは「俺の作品として全く駄目だ」と高いプライドを持って思っても「これめちゃくちゃいいな!」と市場の大多数が言ってくれればそれは素晴らしい作品なのです。これがビジネスの面白いところ。自己満足ではなく自分以外の人が合格点をくれるかどうかがポイントです。個人間ではよい関係を築くためには受信側の能力が必要だったのですが、ビジネスでは発信側の想いは関係ないけど受信側に良く思われたという結果が大事。発信側はその結果が大事なのだということを理解していることが重要なのです。
そしてもう一つの観点は、価値が生まれたときにそれを誰も知らなければそれはそもそもそこに存在していないと同じだということ。今この瞬間に自分の住んでいる地球の裏側ですごいものが発明されてもそれを知らなければ何の価値もないわけです。それが存在することを知って、それによって自分が得したり便利になったりできて、もしかしたらその使用方法のアイデアや提案で自分でも思いもよらない利益が出ることがわかったとき!!そう、それは価値のあるものになるのです。だから自分の知らないところで価値が生まれていても、自分にとっての最適な使用方法がわからない価値があってもなんにも意味がないのです。
だから「価値の創造と価値の伝達」は常に一対である必要があります。
「今俺こんなの作ったよ」「うちの会社こんなサービスあるよ」「こんな人はこう使えば得するよ」と生み出した価値を正しく伝達しなければなりません。良いものを作れば売れる、良いものだったらわかってくれる、そんな時代は終わりました。それは物がない時代やお金が有り余っている時代の過去の常識です。正しく伝える努力が必要です。
世の中を見極めてこの時代に本当に人々が必要としている商品やサービスを作り出しそれを正しく伝達する。これを疎かにしている企業は滅びます。冒頭にあるように企業だけでなく人間関係も同じく誤解により破綻することもあるでしょう。
思いやりの心を根底に「価値の創造と価値の伝達」をし続けることが企業だけでなくあらゆる組織のリーダーの使命です。